第1回 母乳と人工乳③

子育て

自分達の生活スタイルから考える

前回の記事では私達が母乳で育てようと思った経緯について書きました。今回はその続きを書いていきます。

次に考えたのは自分達の生活スタイルについてです。私は日中仕事に行っているため、重要なのは妻の生活スタイルになります。食事、外出、父親の授乳について考えました。

◯食事

まず食事については、妻は妊娠前よりお酒をほとんど飲みませんでしたし、コーヒーなどのカフェインを含むものもあまり摂取していませんでした。出産後も授乳を終えるまでお酒やカフェインを控えることに抵抗はありませんでした。

◯外出

次に外出については、当時人付き合いや仕事で頻繁に外出しなければならない予定や、長時間子どもと離れていなければならないような用事も思いつきませんでした。

◯父親の授乳

父親の授乳については、妻の意見よりも優先して私自身がどうしても授乳をしたいという思いはありませんでしたし、妻も授乳以外のところで協力してくれればよいと考えていました。

以上のことから、「私達の生活スタイルの中で母乳で育てていくことは可能である」と考えました。

実際にやってみて思うこと

以上のような考えを経て、私達は母乳のみの育児を開始しました。

妻があまりに授乳がしんどく感じたり、体調を崩すようなことがあったり、母乳が出ないなどの問題があればいつでも人工乳も与えようと考えていましたが、幸いなことに最後まで母乳のみで育てることができました。

しかし、想像以上に大変だったこともありました。主に大変だったのが乳腺炎と夜間の授乳です。

◯乳腺炎

授乳の期間中に乳房が熱を持ち痛みを伴うようになったため、近くの助産院を受診しました。そこでは授乳の姿勢に問題があると指摘され、それまでとは違う姿勢で授乳をすることになりました。

しかしそれが妻には合わず、逆にストレスになってしまっていたためすぐに今までの授乳の姿勢に戻しました。

その後もしばらく乳腺炎の痛みに苦しみましたが、妻のとる食事によって乳房の状態が変わることに気がついたり(すきやきを食べた翌日は大変でした)、乳房のしこりが出来やすい部分(詰まりやすい部分)がわかってきたためそれに合わせて子どもの吸い付く向きを変えたり、出切らなかった母乳を適宜絞り出すようにするなどの工夫を重ねたことで、気づけば乳腺炎の症状は治っていました。

◯夜間の授乳

当たり前といえば当たり前ですが、子どもは夜中も母乳を欲しがり泣きます。母乳は人工乳より腹持ちが悪いこともあり、夜間何度も起きて授乳をしなければなりません。よって妻は夜間もまとまって眠ることができず寝不足になってしまいました。どう対応したかと言えば、出来る限り家事を私が行なったり、夜間起きた時に授乳やオムツ交換をすぐにできるように物品を手の届く場所にまとめておいたりと当たり前のことをしただけでした。妻にとってしんどい毎日だったと思いますが、少しずつその生活にも体が慣れてきたり、子どもが成長することで腹持ちが良くなったりしたことで、なんとか母乳のみで育てることができました。

母乳がでない

幸いなことに妻は母乳が問題なく出ました。しかし、母乳の量が少ないことや、そもそも母乳がでないことで悩む方は多いです。授乳の姿勢などが原因として挙げられがちですが、本当に出ない人はどんなに頑張っても出ません。私はこの欧米化した食生活の影響を受けながら育ってきたことが大きな要因だと思います。

原因が何にせよ、母乳が出ない、足りないとなった場合には人工乳を与える他ありません。しかしここで忘れないでもらいたいのが、子どもにとって母乳か人工乳かの違いはそれほど問題ではありません。母乳じゃなければ子どもに対する愛情がないなんてことは全くありませんし、ビタミンDを十分に摂取できる人工乳を与えない親は子どものことを考えていないなんてこともありません。

大切なのは子どものことを考え、悩み、調べ、選択することです。子どもことを考えて選択した行動に間違いはありません。

最後に

そうは言っても自分の選択が間違っていないかと不安になる方もいると思います。そのような方はまず体重に注目するのがよいと思います。

時々体重計に乗り子どもの体重が増えているか確認して下さい。赤ちゃん用の体重計を買う必要はなく、大人用の体重計に子どもを抱っこしたまま乗り、後で自分だけで乗ったときの体重を引けば子どもの体重が分かります。

体重が増えているということは、母乳や人工乳の摂取に問題がないということです。

また、母子手帳に乳幼児発育曲線というものが載っており、平均的な体重から逸脱していないかを知ることができます。体重が全く増えない(または減る)、乳幼児発育曲線から逸脱して体重が低い状態が続くようであれば栄養が足りていないことが考えられます。母乳の場合は人工乳の追加を、人工乳の場合は増量を考える必要があるかもしれません。また、それでもそのような状態が続くようであれば助産院や産婦人科で相談をしてみるのが安心だと思います。

まとめ

今回は母乳と人工乳について書いていきました。数時間おきの授乳は確かに大変ですが、子どもにとって授乳はただの栄養補給ではなく、親からの愛情を強く感じることができる行為です。もちろん母乳か人工乳かは関係ありません。

気持ちに余裕が出てくると、一生懸命母乳やミルクを飲んでいる子どもが愛おしいと感じることもあると思います。そんな授乳を行えるのも数年です。

悩みの1つとして挙げられる母乳と人工乳ですが、子どもや自分達の生活を考えて選択することができる幸せな悩みではないでしょうか。どうか深刻に悩むことなく、気軽に考え楽しく授乳を行える方が増えてくれればと思います。

このブログの目標は楽しく子育てができる人を増やし、家庭で育つことのできない子どもを1人でも減らすことにあります。

あなたの子育ては間違っていません。

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