令和2年度の児童虐待相談の対応件数
こんにちは、こまくです。
本日は久しぶりに児童福祉関連の記事です。
今回は日本の児童虐待相談の対応件数について考えていきたいと思います。
児童虐待について全く知らなかったり、興味はあるけれど詳しく知らないという方の参考になればと思います。
さっそく、タイトルにあります日本の児童虐待相談の対応件数についてですが、厚生労働省のデータによると、令和2年には
205,044件の児童虐待相談の対応をしたそうです。
この数字、皆さんどう考えますか。
児童虐待相談の対応件数の推移
では先ほどの数字について考えるにあたって、これまでの児童虐待相談の対応件数の推移について見ていきます。
厚生労働省のデータによると、
平成25年度 73,802件
令和01年度 193,780件
令和02年度 205,044件
https://www.mhlw.go.jp/content/000863297.pdf
このようになっています。
つまり、児童虐待相談の対応件数が増加していることがわかります。
そして、最新の結果である令和2年度の件数が過去最大の件数となっています。
ただこの数字、児童全体における割合で考えるとどうなのでしょうか。
児童の数が年々増えているのであれば、児童虐待相談の対応件数が増加したとしても、児童虐待の割合は大きく変わらないことになるはずです。
児童の人口動態について
児童の人口について、総務省が出しているデータを確認してみます。
なお、今回参考にしたデータは、15歳未満の児童の人数になっているため、児童福祉法における児童の定義である18歳未満の者と異なりますので、その点にご注意ください。
平成25年 16,490,000人
令和01年 15,120,000人
令和02年 14,930,000人
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/topi1281.html
このようになっています。
つまり、児童の人口は年々減っているわけです。
児童の人口は減っているのに、児童虐待相談の対応件数は増えている。
そのような実態が明らかになりました。
ではその割合はどの程度なのでしょうか。
児童の人口における、児童虐待相談の対応件数の割合について考える
次に、児童の人口における、児童虐待相談の対応件数の割合について考えていきたいのですが、先ほど書いたように、データの内容によって児童の年齢の定義が異なることに注意が必要です。
よってまず今回は、児童虐待相談の対応件数における、年齢別の割合を先に確認したいと思います。
厚生労働省が出している令和元年のデータによると
0~14歳 92.9%
15~18歳・その他 7.0%
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/19/dl/gaikyo.pdf
このようになっています。
よって、15歳未満への児童虐待相談の対応件数は、全体の約93%であることがわかりました。
では、児童の人口における、児童虐待相談の対応件数の割合を計算していきます。
令和元年
193,780(児童虐待相談の対応件数の総数)× 93%(0~14歳の割合) ≒ 180,000(0~14歳の児童虐待相談の対応件数)
180,000 ÷ 15,120,000(0~14歳の人口の総数) ≒ 0.01 = 1%
このようになりました。
15歳未満の児童においては1%つまり、100人に1人の割合で児童虐待相談があるということになります。
小学校であれば、3クラスに1人は児童虐待相談があることになります。
児童虐待に対する考え方
100人に1人の児童が児童虐待に関わっているという事実、皆さんはどう感じますでしょうか。
私が今回なぜこのような記事を書いたかと言いますと、多くの人に児童虐待が身近に存在するということを知ってもらい、目を向けてもらうことが、児童虐待を減少させる第一歩だと考えているからです。
私は仕事柄様々な方と児童虐待について話すことがあるのですが、
「そんなひどい親がいるなんて信じられない」
「虐待をする人の気持ちがわからない」
「本当にそんなことをする人がいるんだね」
など、まるで自分とは関係のない遠い世界の話聞いているような反応をする方が多い印象があります。
確かに児童虐待はあってはいけないことですが、虐待をしてしまった親の気持ちに全く寄り添わず、ただただひどい親だと話も聞こうとしないその態度が、育児に困っている親御さんのSOSを出しにくくしているのだと思います。
実際に虐待をしてしまった親御さんの話を聞くと、
それはお母さんお父さんも辛かったね。
誰にも言えなくて辛かったね。
気づいてあげられなくごめんね。
そんな風に感じるケースが多々あります。
テレビで報じられるような身の毛もよだつ虐待だけが、児童虐待ではありません。
時々こんな記事も書いていきたいと思います。
今日も一日お疲れ様でした。
明日も楽しく頑張りましょう。
それでは、また。
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